モデル実験植物ミナトカモジグサ

ミナトカモジグサについて

ミナトカモジグサ(Brachypodium distachyon) は中東地域に多く生育するイネ科の植物です。イチゴツナギ亜科に分類され、小麦や大麦と近縁の雑草です。草丈が短く3~4か月程度の生活環を持ち、室内栽培が可能であるなど、実験植物として優れた性質を有しています。また核ゲノムのサイズもシロイヌナズナの2倍程度(272 Mb)であり、2010年に全ゲノム塩基配列の解読が完了しています。更に形質転換のプロトコルなど基本技術の整備が行われ、国際研究推進委員会や国際研究会議も定期的に開催されています。
実験植物開発室ではミナトカモジグサを活用するため、リソースや技術、情報に関わる基盤整備を進め、植物-微生物共生研究などへの貢献をめざします。


利用可能なリソースについて

  1. 種子         https://epd.brc.riken.jp/en/brachypodium/bd21
  2. 完全長cDNAクローン  https://plant.rtc.riken.jp/resource/pdb/pdb_list.html
  3. 形質転換用細胞株   https://epd.brc.riken.jp/en/brachypodium/cell

技術資料のダウンロード

取扱い技術について(ファイルダウンロード)
栽培環境について(メールニュース25年5月号記事)
播種について(メールニュース25年7月号記事)
育苗について(メールニュース25年8月号記事)
形質転換用カルスについて(メールニュース27年12月号記事)
形質転換について(メールニュース26年5月号記事)
パーティクルガン法による形質転換の利点と欠点について(メールニュース26年9月号記事)


国内外の情報へのリンク

  1. JGI (Brachypodium resources)
    https://jgi.doe.gov/our-science/science-programs/plant-genomics/brachypodium/
  2. JGI (Phytozome 12, Plant Genomics Resource)
    https://phytozome.jgi.doe.gov/pz/portal.html#!info?alias=Org_Bdistachyon
  3. PlantGDB (Genome annotation)
    http://www.plantgdb.org/BdGDB/
  4. RIKEN CSRS (FLcDNA database)
    http://brachy.bmep.riken.jp/ver.1/

最近の総説

  1. Jensen JK and Wilkerson CG. Brachypodium as an experimental system for the study of stem parenchyma biology in grasses. PLoS One. 2017 Mar 1; 12(3): e0173095. PMID: 28248997.
  2. Scholthof KG et al. Brachypodium: A Monocot Grass Model Genus for Plant Biology. Plant Cell. 2018 Aug; 30(8): 1673-1694. PMID: 29997238.
  3. Sogutmaz Ozdemir B and Budak H. Application of Tissue Culture and Transformation Techniques in Model Species Brachypodium distachyon. Methods Mol Biol. 2018; 1667: 289-310. PMID: 29039016.

共生研究について

理化学研究所バイオリソース研究センターの第4期中長期計画においては、植物-微生物間の共生現象の理解に資する基盤整備を行います。課題推進のために植物-微生物共生研究開発チームを設置し、実験植物開発室と微生物材料開発室との緊密な連携のもとで研究に必要となるリソース、技術、情報を整備するとともに、内外との連携を通じて分野の発展に貢献します。



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