ナズナの水耕栽培

→ 記事の一括ダウンロード( Word 文書)

水耕栽培についての情報です。以下のメールのほか、次の文献も参考にしてください。
Nanjo T. et al. (1999) Antisense suppression of proline degradation improves tolerance to freezing and salinity in Arabidopsis thaliana. FEBS Letters 461, 205-210.

【 Thu, 9 Jan 2003 09:47:54 】
[nazuna 01795] Re: 水耕栽培—————

少しですが、私も去年同じ症状で悩んだので、そのときの解決策をお話します。

水耕栽培の条件は、ナズナに最初に流れたお返事の水耕栽培液を用いたロックウール上での栽培法でした。

私の場合、寒天培地で、一週間、二週間と培養したものを移すと、同じように半数以上が枯れてしまいました。またロックウールへの根の進入があまりよく無いため(根の張りもよくない。)に固着が悪く、芽生えが不安定になって倒れたりということもあって今の方法を使っています。

結局うまくいったのは、水でぬらした濾紙上で種子に亀裂が走り、根の先端が見えるまで(五日位)発芽させた後、それを水耕栽培液に浸したロックウールに移すという方法で、ほぼすべてが正常に生育し、生育に合わせて大きな容器に移して行き種子を取ることも可能でした。発芽してから双葉が展開するまでに普通より少し時間がかかりますが、根がしっかりとロックウールに食い込み、その後の生育は通常よりも早いようです。最初からロックウールに蒔いてもいいのですが、水加減が難しいため移しています。

テクニシャンの方に、シロイヌナズナは根が弱く、寒天培地から移植するときに根を傷つけると枯れると聞いたのがきっかけでした。

水耕栽培液ですが、北大の HP 上でも公開されています。

http://arabi4.agr.hokudai.ac.jp/Culture_Protocols/ArabiMedia/ArabiMedia1.html

ここには栽培法など様々なことが記されているので、ずいぶん参考にさせていただきました。

以上、少しですが、ご参考になれば幸いです。

 【Wed, 08 Jan 2003 22:38:28】
[nazuna 01794] Re: 水耕栽培—————

御指摘の記事の著者ではありませんが,経験をお知らせします。

シロイヌナズナを上手に水耕栽培するには,葉を濡らさずに,植物を支持して,根が水耕液につかった状態を作ることが大切です。あとは,水耕液を通気するか,水位をある程度下げて根の一部が空気にさらされた状態を作るなどして根に酸素を供給することが大切です。

ロックウールはこのような状態を作るのに便利です。(ちなみに,うちの研究室では nazuna で指摘されているロックウールによる生育不良は特に見られません。)ロックウール以外では,砂を使ったり,メッシュを使ったりしたものを見たことがあります。いずれにしても,容器や,砂やメッシュの種類や,水位を適度に調節するなどの工夫が必要です。特に植物体が小さいときに,子葉をぬらさないような環境を保つことが重要です。

私共のところでは,培地(寒天培地と想像します)で育てた植物を水耕栽培に移した経験は無いのですが,8 割も枯れるというのは,ひょっとすると,湿度が急激に下がっていることが原因かな,とも思いました。

参考になれば良いのですが,,,

  【 Wed, 8 Jan 2003 12:31:29 】
[nazuna 01791] Re: 水耕栽培—————

情報の共有に関して議論もありましたことですので、nazuna 宛にご返信させていただきたいと思います。
アラビドプシスの水耕栽培に関しては、10年前になりますが、植物細胞工学に詳しいプロトコルが掲載されています。

植物細胞工学 Vol.5 No.6 484-487(1993)
アラビドプシスの水耕栽培法
( Method for hydroponic culture of Arabidopsis thaliana )
平井(横田)優美(東大・農)、内藤 哲(北大・農)、茅野充男(東大・農)

記事を見る限りでは植物は種子をつけるまで非常によく生育していますね。何分昔の記事ですので、必要とあれば取り込み文書ファイルをお送りすることもできます。しかし、私の著書ではありませんので、著者の先生方からレスをいただければ助かるのですが…。また、この方法で使用するロックウールに関して、先日不具合の報告があったところですので、十分に注意される必要があると思います。ご参考していただければ幸いです。

 Go to Head



コメントは受け付けていません。