理研GSC トランスポゾンタグラインに関する重要な情報について

本タグラインは、トランスポゾン(Ds)を導入した親株とトランスポゼース(Ac)を導入した親株を掛け合わせ、F1 世代で Ds の転移を誘起した後、F2 世代で Ac と分離した Ds 転移個体を選抜することで系統化されたリソースです。理研BRC では寄託者より Ac 分離後(F3 世代)の種子の寄託を受け、増殖したF4 世代の種子の提供を行ってきました。これらの系統の提供に際しては、品質管理のため PCR による挿入位置検査を実施し、問題のある系統については利用者に情報をお送りしてきました。
ところが挿入位置がデータベースと一致しない系統について更に詳しく検査したところ、PCR 解析により Ac が残存した系統が存在することが最近明らかとなりました。そこで挿入位置が確認できた系統についても検査を進めており、これまでのところ全体の1%未満ながら Ac が残存した系統が確認されております。Ac が残存した場合にはトランスポゾンが再転位する可能性があり、実験結果に予期せぬ影響が出ることが懸念されます。このため今後はリクエストのあった系統については事前に検査を行い、 Ac が残存していない系統のみを発送することといたしました。また過去に発送した系統についても早急に検査を進めており、万が一お送りした系統の中に Ac の残存が疑われる系統が見つかった場合には、直ちに利用者の方にお知らせいたします。図らずも、利用者の皆様にはご心配とご迷惑をおかけすることになりましたが、ご理解とご支援のほど宜しくお願い致します。

当ラインの作成方法に関わる情報につきましては以下の論文及びサイトをご参照ください。

  • Smith D., Yanai Y., Liu, Y-G., Ishiguro S., Okada K., Shibata D., Whittier RF. and Fedoroff NV. (1996) Characterization and mapping of Ds-GUS-T-DNA lines for targeted insertional mutagenesis. Plant J. 10: 721-732.
  • http://pfgweb.gsc.riken.jp/pjTrpJ.html

(2009/3/19)


コメントは受け付けていません。