「シロイヌナズナ野生由来株の誤った種子の提供」のお知らせ(詳細)

シロイヌナズナ野生由来Nossen株の種子として、2018年2月7日以降2019年5月15日までの間、当室が提供いたしました「リソース番号pst99999、ロット番号F0S1」が、異なる株に由来することが判明いたしました。利用者の皆様には多大なご迷惑をおかけすることになり、深くお詫び申し上げます。

2017年11月にNossen株(pst99999)の種子の提供用ロットの在庫が減少したため、pst99999と認識したものから提供用ロットを再生産し、「pst99999、ロット番号F0S1」として、利用希望者への提供を再開しました。2019年6月5日にNossen株由来の遺伝子組換え系統を提供するにあたり、再生産した当該株ロットをコントロールとして、SSRマーカー解析(注)を実施したところ、当該株ロットのデータがカタログ表記のNossen株のものとは異なることが2019年7月5日に判明しました。そこで、Nossen株の亜株、pst99999の他のロット及び他系統の種子の検査を実施し、当該ロットのデータと比較解析したところ、当該ロットを再生産した過程で種子の取り違えが起きたことが、2019年7月31日に明らかになりました。当室では、直ちに提供先のユーザーに本件に関する緊急のお知らせをお送りしました。その後、全てのユーザーから、研究成果に直接の影響はなかった旨のお返事をいただきました。また、ユーザーから要望があった場合は、当該株ロットの代替種子として、同系統亜株のpst99998を送付できるように整備しました。

当室では、二度とこのようなことがないよう、提供株の再生産に当たっては、提供用ロット更新時に必要な検査を実施し、その結果をバーコードシステムに入力し、保存庫に収納する際に検査履歴を確認することを徹底します。また、種子の管理にバーコードシステムを導入して出入庫の際に確認するとともに、複数の作業者による二重チェック体制により、人為的なミスによる取り違えを防止します。今後とも理研バイオリソース事業へのご理解とご支援の程、宜しくお願い申し上げます。

本件に関するご質問やご要望等がございましたら、下記までご連絡いただきますようお願い申し上げます。

連絡先
〒305-0074 茨城県つくば市高野台3-1-1
理化学研究所 バイオリソース研究センター実験植物開発室
電話:029-836-9067
ファックス:029-836-9053
E-mail:plant.brc@riken.jp

(注)SSRマーカー解析:ゲノムの塩基配列上に多数存在する数塩基の反復配列(マイクロサテライト)の長さを測定して株を判別する解析手法。シロイヌナズナの野生由来株間でマイクロサテライトの長さが異なることから、株の識別に使用される。当室ではBRCが保有する野生由来系統全てを区別するための検査として2004年度に導入。16個のマイクロサテライトを選び、DNAシークエンサーにより正確に長さを測定して株を識別している。



コメントは受け付けていません。