シロイヌナズナ研究推進委員会が発足しました

ナズナの皆様へ

理化学研究所の篠崎です。シロイヌナズナ研究推進のための委員会を立ち上げましたのでお知らせします。
シロイヌナズナ研究は 2000年 のゲノムシークエンス終了後、2010年 プロジェクトを核にして植物機能に関わるすべての遺伝子の解読を目標にいろいろなリソース、解析方法、データベース等を次々と開発してきました。2010年 に向けてシロイヌナズナを用いた網羅的なオミックス研究やバイオインフォマティクスを利用した逆遺伝学的な研究手法で新たな遺伝子機能を次々と明らかにしており、新時代の植物研究をリードしています。
最近では、欧米だけでなく中国、韓国もシロイヌナズナを中核とした植物遺伝子ネットワーク研究、システムバイオロジー研究を加速しております。このような諸外国での状況に対応するため、日本のシロイヌナズナ研究を新たな時代に対応して推進するための推進委員会を立ち上げました。12月10日に理研横浜研究所で開催しました 2007年度シロイヌナズナワークショップ の際に関係者が集まり、第1回の研究推進委員会を開催して今後の活動方針を決めましたのでご報告します。
今後はこの研究推進委員会を中核として基礎植物科学、植物オミックス研究の推進をして行きます。また、基礎から応用への展開への基盤を構築して行きたいと思いますので、建設的なご意見をお寄せ下さい。モデル植物であるシロイヌナズナ研究は分子遺伝学、ゲノム機能解析からシステムバイオロジー、オミックス研究へ新たな展開を進めています。今後も植物の基盤としてのシロイヌナズナ研究の役割は重要になって行くものと考えています。以下に 12月10日 の第1回研究推進委員会での議論内容をお知らせします。

第1回 シロイヌナズナ研究推進委員会
12月10日(月)12:15-13:15
理研横浜研究所、東棟7階 PSC センター長室

参加者:
岡田清孝、内藤哲、松井南、荒木崇、篠崎一雄、高木優、塚谷裕一、小林正智、関原明、中村保一(不参加:米田好文、長谷あきら、斉藤和季)

議題:
1. シロイヌナズナ研究推進委員会の役割について (位置づけ、組織、事務局など)
シロイヌナズナを中心とした基礎植物科学、植物オミックス研究の推進のための推進委員会を組織して活動する。
· シロイヌナズナ研究の推進方策の検討
· 毎年のシロイヌナズナワークショップ開催
· Multinational Arabidopsis Steering Committee(MASC) への対応
2. シロイヌナズナ研究推進委員会の組織
推進委員長:岡田清孝
幹事:米田好文、松井南、荒木崇
MASC 委員:篠崎一雄
委員:内藤哲、長谷あきら、高木優、塚谷裕一、小林正智、関原明、中村保一、斉藤和季
事務局:理研
3. シロイヌナズナワークショップの今後に関して
· オミックス解析、ゲノム機能解析、システムバイオロジーなどに関する材料、情報の集積でシロイヌナズナを用いた研究は最先端であり、今後もシロイヌナズナを利用する研究者は多い事を考えて、今後も毎年ワークショップを続ける事で合意した。
· 作物を研究する研究者もシロイヌナズナを遺伝子機能解析に利用する場合が増えている。さらに、中国や韓国でもシロイヌナズナ研究者が増加している。
· シロイヌナズナを利用する研究が一般化して、ワークショップを工夫する必要が議論された。
· 2007年度 は理研PSC(関、篠崎)が担当して、「トランスクリプトームの新たな展望」として技術に関する講習会で 12月10日 に分子生物学会・生化学会合同大会の前に実施した。
4. 来年度以降のシロイヌナズナワークショップに関して
· 東京地区→東海地区→関西地区でのサイクルで開催することが了承された。2008年度シロイヌナズナワークショップの開催@基生研(塚谷、岡田) バイオイメージングなど植物や細胞を見る技術に関するワークショップを企画予定、2009年度 の開催地@関西地区、2010年度 は国際会議として実施、理研PSC 担当。
5. 2010 International Conference Arabidopsis Research の日本開催予定に関して
· 2007年 の北京でのMASC会議で、今後の開催をアメリカーヨーロッパーアジアの順番で開催することが決定した。
· 2008年 はモントリオール、2009年 はロンドン、2010年 に関しては日本、オーストラリアから立候補があり、以後の話し合いの結果、日本での開催に絞られた。
· 理研、基生研を中心に開催することにした。植物生理学会、植物学会、植物細胞分子生物学会などとの共催でサポートをお願いする予定で進めている。
· 横浜パシフィコ、みなとみらい地区の国際会議場を予定。

篠崎一雄
理化学研究所、植物科学研究センター
〒230-0045 横浜市、鶴見区、末広町1-7-22
Tel: 045-503-9579/ Fax: 045-503-9580
E-mail: sinozaki@rtc.riken.jp
(2007/12/28)


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