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多種の種子の滅菌法

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種子の滅菌法についての情報です。
【 Tue, 12 Nov 2002 16:26:36 】
[nazuna 01740] 多種の種子滅菌法まとめ—————

多種の種子の滅菌法についてたくさんの方からメールをいただき、どうもありがとうございました。私はテクニシャンと相談の上、適すると思われる方法を試しております。
ナズナメーリングリストの皆様には、代表的な方法を以下に紹介させていただきます。

1.アンチホルミン処理後の水洗を 3 回で済ませる。
2.種子をミラクロスの袋にいれ、袋ごと滅菌・洗浄(三回)する。
3.PPM(Plant Preservative Mixture)を使用する。
4.塩素ガスによるガス滅菌を行う。
5.ドットブロッターを利用する。
6.濾紙上で滅菌する。

1. と 2. については説明を省きます。
3.の方法

50 倍 PPM 希釈液( 0.005% tween )に乾燥種子を懸濁し、暗所 4 ℃に 3,4 日ほど置き(殺菌処理)、殺菌後、PPM を 0.1% アガーに置換してプレートに播くというもの。
PPM はナカライテスク( code No. 26062-84, 100mL, 30,000 円)で扱っています。

4.の方法

私はアラビの形質転換体のセレクションに塩素ガスを使っています。
この方法は多くのラインを一度に処理できるのと種子を吸水させずに滅菌できるので、滅菌種子を室温で保存可能です。
ただ目的の変異体が塩素に感受性がある場合は使う事ができません。これは次亜塩素酸でも同じだと思います。
方法は Pamera Green のラボの方法を一部変更したものです。
種子をエッペンに分注する。(容量は 50ul 以下)
底に穴があいているエッペンラックを使用(塩素ガスを下から拡散させるため)エッペンのふたを開けたままラックごとサランラップをかけてゴムバンドで縛る。(底の部分は開けておく)
200ml のフラスコに 50ml の次亜塩素酸を入れる。 密封できる箱、たとえばタッパーウェアにラックとフラスコを入れる。(転倒防止にフラスコは箱のかどに入れてテープで止める)
ドラフトの中でタッパーの蓋の一部を持ち上げて5-10ml の 5M 塩酸をスポイトで注入。すぐにふたを閉め、ゆっくり箱をゆすって次亜塩素酸と塩酸を混ぜ合わせる。
次亜塩素酸は黄色になり塩素ガスの泡が出てくるのが見える。 ドラフトを運転させたまま 3-8 時間滅菌する。
蓋を慎重に開けてガスが手袋に当たらないようにする。(当たると生暖かい?厚手の手袋が良いかも)
1 分間放置した後フラスコを取り出して 150ml 程度の1M NaOH を注いで反応を止める。(色が無色になる)
さらに 30 分ドラフト内で換気した後、箱をクリンベンチに持っていって作業を進める。 滅菌種子は蓋を閉めて保存できますが滅菌に使った箱で保存してはいけません。

塩素ガスは反応性が高いのでドラフトの中にそのようなものを入れないでください。

5.の方法

遺伝子のドットハイブリダイゼーションに用いるドットブロッター(バイオラッド社せいのものを使っていました)を用いる方法です。
ドットブロッターにナイロンメンブレンを装着した状態にし、各ウエルに適当数の種子を入れていきます。これをクリーンベンチに持ち込んでエタノール、アンチホルミンの順に滅菌処理をして、5 回ほど滅菌水で洗います。ウエルへの液を入れる時は 8 連式のピペッターを使っていました。12 連でもいいと思いますが、私は器用でなかったので、チップ装着の抜けがあったり、未滅菌部分に触れたりと操作性がよろしくなく、8 連が適当でした。
洗浄作業はドットブロッターについている吸引チューブから真空ラインで引けば一度に 96 サンプルが処理できます。アンチホルミン等で洗う場合はチュウブを閉じて、クリーンベンチ内に入れたシェーカーでブロッターごと揺らしていましたが、静置のみでも問題ありませんでした。
最初はブロッターにメンブレンをかませ、チューブにディスポのフィルターを装着した状態でオートクレーブしていたのですが、種子挿入は非滅菌作業になるので止めました。種子挿入を楽にするために、金属性の上戸のようなものを作って使っていました。また、8 連チップで吸い取る滅菌水を入れるための容器も金属で作ってもらい、滅菌して使っていました。
その他、実際に試されていろいろ工夫されたらいいと思いますが、基本的に滅菌は良好でしたし、(少なくともチューブでやるより)お勧めできます。

6.の方法

シロイヌナズナの無菌播種ですが、ここで使っている方法を書きます。
私自身はあまりこの方法を使わないのですが(エッペン中で次亜塩素酸で滅菌しています。ただ、その後のリンスは 2-3 回でも大丈夫なようです。念のため、大事なサンプルの時は5回ほどリンスしていますが、、)、研究室のテクニシャンやアルバイトの学生さんは皆、この方法で無菌播種をしてくれています。簡単で、手間もかからないので、その後土に植えかえて育てる時の無菌播種には便利です。かなり乱暴な方法ですが、コンタミもしないし、発芽率にも、seedling の成長にも、土に移植した後の植物体の成長にも悪影響はないようです。
でも、寒天培地上で seedling の表現型をきちんと見たい時には不適当だと思います。目的には合わない方法でしたら、申し訳ありません。

1. 播きたい寒天培地よりも小さめに切ったろ紙を用意します(小型の円形ろ紙を使えば便利です。滅菌不要)。
2. ろ紙をきれいな容器に入れ、bleach 原液(こちらで売ってる漂白剤で、成分は 5.25% の次亜塩素酸です)で湿らせます。bleach の量は、ろ紙全体が湿る程度の量が良いようです(ろ紙上に溜まらないようにする)。容器については、小型のディスポの試薬計量皿や、シャーレのふたなどを使っています(これも滅菌不要)。
3. bleach で湿らせたろ紙上で種子の入ったエッペンチューブ等をはじき、必要量の種子を落とします(なるべく1 粒ずつ散らばるように)。そのまま 10 分弱、放置します。
4. ろ紙の端をきれいなピンセットでつまんで持ち上げ、寒天培地の上に種子の載った側を下にしてぺたっと置きます。
5. 培地上のろ紙を静かに持ち上げます。ほとんどの種子は培地上に残りますが、多少ろ紙に残っても無視します。bleach も培地上につきますが、よっぽど量が多くない限り、発芽率や成長にはほとんど影響しません(あまり多いと、根の成長が悪くなるようです)。  6. 必要ならプレート表面を乾燥させ、通常通り低温処理等をした後、培養室で育てます。

上の手順の 2 以降はクリーンベンチ内で行っていますが、使えない時は普通の実験台上で素早くやれば殆どコンタミはおこらないようです。また、きれいに並べて播きたい時は、3. の後で、ろ紙上に散らした種子を、先の細かいピンセットでひと粒ずつ寒天培地に並べていっても良いようです(うちのテクニシャンはそうしていました)。私たちも変異体のスクリーニングを行っており、一度に多くのラインの種子を播かなければならないことも多いです。上に書いたのは、私の仕事を手伝ってくれているテクニシャンが色々試して辿り着いた方法で、このお陰で大分時間と手間が節約できるようになったようです。

以上です。皆様のご参考になれば幸いです。